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できる購買部長のかしこい購買戦略 第0003号
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◆今日のテーマは、「購買組織の人材構成」、です。
(購買スタイルの改革の1つとして、購買組織の人材構成を見直すことを概説します。一言で言うと異質な人材を上手に活用することでエネルギーを生み出すことです。)
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こんにちは。山本です。
さて、今日は、「購買組織の人材構成」、について考えてみます。
◆◆◆【異質な人材を上手に活用しよう!】◆◆◆
前回、購買スタイルを従来型から転換することの時代的な理由を書きました。
では、そのために具体的に何をどのように変えていけばよいのでしょうか?
その大きな1つ目が、購買組織の人材構成の見直しです。
生物界には個体差と言うのがありますよね。これは種が絶滅しないための知恵だと言われています。
即ち、非常に類似した個体からその種全体が構成されていると、耐性が殆ど同じなのである環境条件になった場合、壊滅的な打撃を受けてしまいます。古代の恐竜の絶滅のような状況ですね。
個体差があれば、部分的に生存できるから、その後の世代へと命を繋げて行ける訳ですね。
私は人の組織も同様だと思うのです。
似た発想や価値観ばかりの人で組織が構成されていると画一的な判断になってしまい、異論が出てこない、議論がなくなるのです。残るのは僅かな違いから来る小さな議論だけです。
そうすると、飛躍的な創造性がなくなってしまうので、小さな改善程度の進歩しか出来なくなってしまうのです。まるで北緯38度線辺りのどこかの国のようになってしまいます。
だから、組織は異質な人の集まりにするのが最もいいわけですね。アポロ計画の巨大プロジェクトがそうであったように。あの場合も、似たもの同士の集団であったらあんな偉業は絶対に出来なかったはずです。
多様な組織構成ではいろんな意見が飛び交い、その相互作用の中からブレークスルーするような大きな創造性が出てくる確率が高まるのです。真剣に議論が出来る程、そうなるのではないでしょうか?
あなたの組織はどうでしょうか?みんな金太郎飴のような構成になっていませんか?安倍内閣のように仲良し集団になっていませんか?
文系の人ばっかりになっているのが購買部門では多いのではないでしょうか?
あるいは、逆に全員が技術屋で構成されていませんか?
この状態を崩すには、人事部と協働して、多様な人材を意識的にかき集めることです。又、同時に、その多様性を尊重しあえる組織風土を組織の長が作り出すことです。いわゆる、長の器と言われるものですね。
事務屋ばかりになっているなら、2-3人を技術屋と入れ替えるのです。逆の場合は、2-3人を事務屋に入れ替えるのです。
あなたはこの見直しをどう思われますか?
今どき、事務屋も技術屋もないだろうと思っていますか?確かにそう言う意見も結構あるんです。
しかし、私の意見では、やはり事務屋と技術屋では歴然とした能力の違いがあると思っています。勿論、どちらが優れているとか劣っているとか言うのではありません。しかし、それぞれ長い間かなり違う環境で育ってきたのですから、当然のことです。多くの点で違いがあることを認める方が現実的ではないでしょうか?
それは5年とか10年とかで能力の交換ができるようなものではありません。ごく稀に、らしからぬ人がいるかもしれませんが、それは例外です。らしい環境で育っていない人だっただけです。殆どの人は相互に
能力を交換するには非常に長い教育と訓練がなければ無理です。(考えても御覧なさい。本当にそれが容易に出来ると言うのであれば、社員の採用で事務系何名・技術系何名と言った発想はしないものです。でも、現実にはそうやって人事は採用活動をしていますよね)
ですから、むしろ、それを素直に認めて、上手に人材を組合わせて組織を編成するべきなのです。
私の元勤めていた会社では、原料購買の部門は何と不思議なことに全員が事務屋でした。技術屋がいなかったら原料のことが詳しく分からんでしょうにね。一方、逆に設備投資に関連する資材部門では全員が技術屋でした。
私の場合は、約15人の原料購買部門でただ1人の技術屋でした。かろうじて格好がついている状態だったわけです。(組織内での発言力・影響力と言う点では、もう2名程度は技術屋が必要だったとは思いますが)
但し、折角そのような狙いで組織編成をしても、注意すべきことが2点あります。
1つ目の注意点は、編入された少数派の異質な人が、みんなとは大きく異なる特徴を粘り強く追求し続ける必要があると言うことです。
ならではの能力を生かして、従来の組織ではできっこなかったような視点や発想で業務改革を実行していくことです。
前からいる人達から「自分らにはできなかったことを、彼は見事にやっているねえ。さすがだねえ」と思われるように。
従来の組織メンバーと同じ体質になった方が楽だからと言う見えない圧力を感じるかもしれませんが、それを克服する使命があります。なぜなら、それが組織に編入された理由なのですから。
2つ目の注意点は、組織の全員が、異質な少数派の存在と価値を認める風土を持つことです。結構、違いを感じるものですから、意識的に仲間意識を共有するよう努めることです。
少数派の意見や発想などを否定しないで、議論を深めて共有化することが組織のためになるのですから。
そして、その風土作りの最大の責任は、購買責任者にあります。部下をしっかり教育して組織全体のレベルアップに仕向けていく必要があります。
いずれにしても、購買組織の人材構成を見直す(事務屋⇔技術屋)のは非常に有益です。是非、行動に移して見てください。必ず、大きな業務革新に繋がりますよ。
では、今回はここまで。
次回は、「購買方針」について取上げることにします。お楽しみに。
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