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できる購買部長のかしこい購買戦略 第0024号
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◆今日のテーマは、「人材育成と教育(その14:個人の購買能力11)」
(断片情報から原料規定への遡及調査力を概説します。どうしても購買している原料の素性が分からない場合にどのようにすればよいのかについて考えてみました。又、この調査力を部下が確保するためにあなたは何をすべきなのか、について触れてみました。)
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こんにちわ、 山本です。
前回は、【原料スペックからのキースペック抽出力】を書きました。
スペック4種と、キースペックを抽出する視点、その能力を組織として確保するためにあなたは何をすべきなのか、について考えてみました。
では、今回は、『断片情報から原料規定への遡及調査力』について考えてみたいと思います。
勿論、この課題の目的は、世界中からより安価な同等品を探し出すためです。
あなたのところでは、コストダウンしようとしているものが一体どんなものかをなかなか規定できない原料がありませんでしょうか?
通常は、取引先と結ぶ購買仕様書の中で原料が何者なのかを記載するようになっているはずです。
しかし、時々、その記載を明確にして貰えない場合があるのではないでしょうか?
売り手の言い分はこんな調子です。
●詳しく知りません
●そんなに詳しいものは必要ないでしょう
●社内のルールがあってこれ以上は書けません
●ノウハウがあるので開示できません
など。
しかし、これを許容していては賢い購買はしにくいのではないでしょうか?
ですから、購買仕様書への記載を正確に書いて貰う能力がどうしても必要になります。
一方で、上記のような抵抗がある場合、別途、あなたの側で対策が必要になります。
即ち、
取引先から正確な情報を得られない場合に、正確な原料規定をするやり方を自分らで備える必要があるわけです。
では、具体的にどのようにすればよいのでしょうか?
下記のようなアプローチが考えられます。
1)断片として得られる情報から何者かを自らで訴求調査する。
2)不足情報を補完するために、断片情報を提供して欲しいと売り手に働きかける。
3)自分で分析して同定する。
以下で少し解説をしましょう。
1)訴求調査:
よくあるのは、正確な化学物質名を公開して貰えない場合で、化審法番号とかCAS番号なら提供して貰えると言うものなどです。
最近のMSDSなどもこんな内容のものが増えてきていると思います。
この時は、化審法番号→化学物質名、CAS番号→化学物質名と言った訴求調査ができないといけない訳です。
従って、このような対応能力を組織内に作りこむ必要があります。
2)断片情報の収集:
上記を含めて訴求調査したにもかかわらず、どうしても後一歩の補足が必要になる場合があります。
そのような時は取引先が提供しやすいように配慮しながら断片情報を引き出すのが得策です。
3)分析(同定と定量):
最後の手段です。かなりの費用が伴いますので極力上記の1)2)で解決させたいものですが、分析に訴えるしかない場合もあります。
以上です。
しかし、もっと根本的なところがあります。
あなたは上記を読まれてどう思われますか?
このようなことをしないで済む公明正大な取引先を選定することがもっと重要なことではないでしょうか?
何故なら、
このようなややこしい状況になるのは、取引先が販売に不利になるかもしれない情報はお客様と言えども提供しないとか、価格を連想させるような情報は秘匿にしておきたいなど、極力競争を排除しようとする意図があるからです。
今時のビジネスで、顧客満足に背を向けたこのような了見は悲しいことと言わざるを得ません。
ですから、このような判断要素もメーカー選定の要件に加味すべきではないでしょうか?
では、今回はここまで。次回は、【人材育成と教育】の15回目です。
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